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杉岡ブログ諫早建設の日常

2019/07/31

旧井上房一郎邸

先日、息子の全日本ジュニア体操競技会の予選がありました。この大会の予選は毎年開催会場が違うため、大会毎に現地で宿泊して応援をするわけです。新潟やら栃木やら北海道やら・・・。もちろん応援がメインではありますが、折角各地へ向かうのでその地域の建築を見学したりもしております。
今回は群馬県高崎市。駅に近い高崎アリーナが会場でしたので演技の合間を縫って「旧井上房一郎邸」を見学してきました。

 

井上房一郎さんは高崎の有名な実業家で、パリでの留学経験を礎に高崎で文化と経済を合せた発展を遂げる為に尽力された人物です。この方の邸宅がなぜ保存されているかというと、世界的建築家で主に日本で活動したアントニン レーモンドに纏わる建物だからです。この邸宅は当時麻布にあったレーモンドの自宅兼設計事務所 (現存せず)に感銘をうけた井上さんが、レーモンドの許可を得て設計図と徹底した実測を元に完成させたのが「旧井上房一郎邸」です。その為レーモンドの自宅の一部が再現されている貴重な建物として保存されているわけです。

 

外と内の陰影を造りだす軒の出

 

「旧井上房一郎邸」は駅前にほど近い高崎美術館の敷地内に保存されています。
レーモンド自邸は事務所を兼ねていましたが、住居部分のみを徹底した採寸により再現しレーモンドが用いる窓の納まりや梁の掛け方の特徴がそのまま残っています。昔ながらの木造住宅の雰囲気を活かしつつモダンなしつらえ。とても落ち着く空間でした。
以前、札幌にあるレーモンドの手掛けた協会を見学してきた際に感じたあの落ち着く雰囲気にどことなく似ています。「土着」という言葉が頭に浮かびましたが日本の風土に似合うような佇まいは日本へのリスペクトが感じられます。

 

 

敷地内は外部の喧騒がうそのようにゆったりとした時間が流れています。勝手にソファなどに腰かけられませんが、ここで椅子に座って食事をしたり会話をしたりするとどんな感じなのかなぁと想像してしまいます。気が付くと予定の時間をかなり超過してしまいました。近くにあるレーモンドが手掛けた群馬音楽センターへ見学する予定でしたがそれは別の機会にという事で。