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諫早建設の日常酒井ブログ

2021/11/20

福原伸陽さんである

 

 

今年、3月末で退団するまでNHK交響楽団の首席ホルン奏者を務めていた。

 

実はこれ、自慢話なのだけれど、この福川さん、息子の中学・高校の吹奏楽部の直属の先輩に当たる。

 

息子は明治大学付属明治中・高校吹奏楽班で、卒業までの6年間ホルンを吹いていた。

 

で、2年生になった時に楽器を買ってあげることになり、その時に一緒に楽器屋に付き合ってくれて楽器を選んでくれたのがこの福川さんだった。

 

当時、1年上の先輩も来てくれて、一緒に試奏をしてくれたのだけれど、当たり前なのだけれどその圧倒的な音質、音色、音圧の違いにモノスゴク驚いてしまった。

 

1年上の先輩もかなり上手ではあるのだけれど、実に明るい大きな音がパー―ッと出てしまい、「抑え」が効いていない。

 

一方で福川さんはと言えば、一見(聴)籠った、くぐもった、表現は適当ではないのだけれど決して明るくはない音なのだけれど、懐が深くて良く響く。言うなれば試奏室全体が楽器となって、共鳴体として鳴っている感じ。

 

私の楽器、ファゴットのプロの音は至近距離でしょっちゅう先生の音を聴いていたのだけれど、ホルンのプロの音をこんなに近くで聴いたのは初めてだったので、その響きの豊かさに圧倒されてしまった。

 

結果、息子は当時42万円のヤマハのホルンを買ったのだけれど、その時も、

「今はあんまり鳴っていないけど、この楽器は将来、吹き込めば吹き込むほどどんどん良く鳴るようになると思いますよ」

要は「沢山練習してね!」と、いうメッセージと共にスゴク有望な良い楽器を選んでくれた。

 

もしかして、楽器なんて、特にヤマハなんかは量産品だからどれを選んでも同じ、と、思っている人がいるかもしれないけど、これは大きな間違いで、特に管楽器は一本一本が職人の手に依る殆ど「ハンドメイド」。

 

だから一本一本が全く違う音色や響き、そして操作性を有している。

なので、楽器を購入するときに、信頼できる人が試奏をしてくれる、と、いうのはとってもとっても大事になる。

 

息子の場合は福川さんという、事実上の日本一のオーケストラの首席奏者という、今、考えても「この上ない」人に、しかもただ単に直系の先輩、と、いうことでノーギャラで選んでもらえたので、本当にラッキーだった。

 

実は福川さん、明大明治を卒業してからその才能に自ら気づき、先生の勧めもあって、武蔵野音楽大学に入学。2年で中退してスイスに渡り、帰ってきてからは日本フィルの首席ホルン奏者として活躍していた。(らしい)

 

息子の楽器を選んでくれたのはちょうどその頃で、私は不覚にもそんなこととはツユ知らず、当然、出す音の素晴らしさには驚愕しながらも、帰り道、地下鉄の駅まで一緒に歩いて行く時も「リュックを背負ったお兄ちゃん」的な感覚しかなかった。

今、考えればサインでももらっておけば良かった!と、つくづく思う。

 

後で聞いたら明治中・高吹奏楽班の顧問の先生は

「俺が福川君の才能を見出した!」

と、豪語していたらしいが、当時どこかのインタビューを見たら

「中学入学した時に吹奏楽班に行って、本当はトランペットを吹きたかったのに、既に先客がいたので、仕方なく余っていたホルンに廻された」

と、応えていた。

まあ、楽器選びには実に良くある話で、いつの時代もそんなものです。

 

楽器って不思議なもので、これは絶対に断言できるのだけれど、どの楽器になった(振り分けられた)としても、一所懸命に練習すれば「必ず」その楽器が好きになって、一生離れられなくなる。

 

私も中学時代に吹奏楽部に入って割り当てられたのが「ユーフォニウム」という何だかワケの分からない楽器で、毎日毎日クラブに行くのがイヤでイヤでたまらなかった。

だけど、今となれば本当にイイ楽器だと心の底から言えるし、大好きな楽器でもある。

 

息子は今はもうホルンを吹いてはいないけど、その子供(孫)には是非とも吹奏楽部で楽器を吹いてもらいたい。

そして息子の学校のように素晴らしい演奏を聴かせてもらいたい。

それが今の私のささやかな夢でもある。