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諫早建設の日常

2021/12/10

習性

コントラファゴットである。

 

 

私が学生時代、オーケストラで吹いていたのはこれよりも大分スリムなファゴット。

 

コントラファゴットはそれよりも大分低い音が出る。

 

多分、全ての楽器の中でも最低ラインの低さだと思う。

 

我々ファゴット吹きはこのコントラファゴットを吹くのが「夢」。

 

要は本来の楽器よりも、より低い音を出したい!!!

 

大体に於いて、低音楽器を吹いている(弾いている人は分からないけど)人間は、依り低い音を出したい!と欲望することが多い。

 

我々通奏低音を含む低音楽器の世界では、

「依り低い音を出す楽器をやっている方がエライ!」

という暗黙の序列が存在する。

 

その伝で言えば、ファゴットの私よりも低い音を出すコントラバスを奏っていた妻の方がエライ!と、言うことになる。

まあ、そうだろうなあ、と納得してしまう。

 

どうも高音楽器、(例えばフルートやオーボエ)を奏っているメンバーからは全くそういう、所謂「より高い音の楽器に憧れる」または「より高い音の楽器を吹きたい!」という話は聞かないので、どうもこれは我々低音楽器を奏る人間だけの習性のようではある。

 

コントラファゴットは、良く知られている曲では例えばベートーヴェンの運命やブラームスの交響曲第1番などがある。

ストラヴィンスキーの「春の祭典」などでは2本使っている。

 

ブラームスの交響曲第1番は私が大学1年の定期演奏会でメインの曲だった。

 

実はその時初めて、コントラファゴットのナマの音を間近(というか舞台のソデ)で聴いたのだけれど、その迫力に本当に思わずのけ反ってしまった。

 

もう何と言ったらイイのか、「バリバリバリバリ」という腹の底から響き渡るような大音量と振動。

 

一発でその魅力に参ってしまった。

 

大体、我々ファゴット吹きはそうやってコントラファゴットにハマって行く。

 

ただ、やっぱり一回り、いや二回りも大きな楽器なので、そう簡単には吹きこなせない。

 

今は一度この楽器でブラームスの1番を吹くのが果てしない大きな夢になってしまっている。