諫早建設の日常酒井ブログ
2021/12/20
早明戦である
少し前のラグビー対抗戦早明戦。
もう大分前から大学ラグビーは殆ど見なくなっていた。
それはちょうど日本選手権が大学ナンバー1と社会人ナンバー1との間で行われていたのが解消された時期とも重なる。
何で大学ラグビーを見なくなったかと言えば、一言で言えば社会人ラグビー=トップリーグとの差が余りにも広がってしまい、つまらなくなってしまったから。
一時は帝京大学が若干近づきつつあった時期もあったが、やっぱりそれでも「善戦」の域を出ることはなかった。
それは「技術的な差」もそうだけど、それよりも大きかったのは精神的な差。
「気迫」というか「ファイティングスピリット」の差。
要は「勝つ!」ということに対する執念の差。
特に実際にグラウンドに行けば更に良く分かるのだけれど、トップリーグのメンバーはひとりひとりが実に「鬼気迫る」、と言うか「殺気」さえ感じるほど切羽詰まっている、というか、ほとばしるものを観客席でも感じられるほど、実に分かり易くアリアリと発散している。
当時、大学ラグビーはテレビで見る限り、時には笑顔さえ見せるほどリラックスしている、というか和やかなムードを醸し出しているメンバーさえいた。
対戦すると、その差がそのまま点差に現れて、もはや「負けて当たり前」「善戦できれば上々」の空気が満載。
周囲も「どれだけ点差が広がらないか(トライを取られないか)」にしか興味は無くなっていた。
で、今回たまたま観た久々の早明戦。
スコアは17-7で早稲田の勝利
ラグビーはディフェンスの戦いなので、ロースコアであればあるほどイイゲーム=面白い試合だというのは私の持論。
ただ、危険なのは、ロースコアの場合、「堅守」のゲームだけではなくて「拙攻」のゲームとも紙一重。
今回のゲームはどちらったかと言えば、「うーーーーーん・・・・・・・」と、言う感じ。
前半は10-7で折り返し、後半は7-0といずれも早稲田に軍配が上がった。
当然、早稲田の堅守は光ったが、やはりあっちこっちで双方のつまらないミスもかなり目立った。
都度、白い歯を見せる選手が結構いたのがトップリーグとの決定的な違いだろう。
大学ラグビーがその魅力を取り戻すのはまだまだ、という感じはした。
ただひとつだけ、いや、二つ、目についたのは、先日のジャパンのイングランド遠征でも目立ったのだけれど、むやみやたらにボールを蹴らなくなったこと。
つい最近まではキックオフした直後から延々と陣取り合戦の蹴りあいが始まる。
これは観ている側としては実につまらない。
が、最近は徒に蹴らないで自陣からでもボールを廻すようになった。
要は蹴るのは陣地を回復する、と、言うよりも、単に攻撃権を相手に渡すだけ、という考え方が主流になってきたのではないかとも思う。
これは結構スリリングで、観ている方としては実に(無責任に)面白い!
もう一つは大学だけでなく、最近では高校ラグビーでも盛んにキックパスが見られるようになったこと。
以前はトップリーグでさえ稀にしか見られなかったののが、最近ではワールドカップでは全然普通に、トップリーグでは当たり前、高校生でも強豪校と呼ばれるような学校はかなりの精度でキックパスを決めてくる。
この「飛び道具」は実にエキサイティングで面白い!
日本のラグビーの実力も間違いなく底上げが出来つつある証拠だと思う。