伊藤ブログ諫早建設の日常
2022/06/04
とある街の、とあるお店の、メニューの看板。
シンプルに過ぎる。。
削ぎ落した情報だけを伝えてくる看板のインパクトに惹かれてしまった。
こちらが支払うであろう金額。
あちらが提供するであろう料理。
情報はそれだけ。
独特の手描きタッチもあり店主の料理への揺るぎない自信も伺える。
来客を目的とする看板なら、載せるであろう料理の質や種類やコスパなどを、わかり易くアピールするための美味しそうな写真や、それを補足するこだわりのコメントも一切ない。
『喰えばわかるよ』
とでも言いたげな店主の媚びない姿勢を垣間見る。
何故こんな看板なのか。。
これが来客者の人数を目的にしていない看板だと仮定して推察してみる。
言い方を変えれば、来客者を一度振るいに掛けるための装置。
すんなり入れば良し、でなければ出直してと。
『料理にそれなりの金額を支払って、美味しいものを求める人』
という来客者の質を目的にしていると考えてみると、この情報の絞り方はシンプルで効果的な方法に見えてくる。
そこで庶民代表を自負する私の心の声はというと。。
『とはいえ高いよ!』
支払うであろう金額への真っ正直な感想を抱きつつも、提供されるであろう料理が気になってしまう。
店主の思惑通りに、まんまと興味を惹かれてしまった。
せっかくなので庶民の感覚をフル回転させて、お店のディテールを想像してみる。
閉じた外観で店の中は見ることは出来ないが、おそらく寿司屋。
カウンターで10~12席ぐらいか。
にぎり一人前で10~12貫ぐらいか。
シャリがすっぽり隠れるほどの大きなネタが売りだろうか。
付け合わせやお吸い物にはどんな遊び心があるだろうか。
お酒とのペアリングを楽しめるように、日本酒も色々揃えているのだろうか。
店主は30代後半、港区あたりで修行して、ここに店を構えたのだろうか。
ねじり鉢巻きなどをして黙って粛々と握る人物なのか。
いまどきはサービス精神から会話もしてくれる人物なのか。
店内のインテリアはどんな感じか。
いかにもな和風か。または仕上げに素材感のあるモダンな感じか。
床は。壁は。イスは。カウンターは。照明の雰囲気は。
ところで、にぎり以外にもメニューはあるのか。
まだまだ庶民の興味は尽きない。
再び看板を見る。
『にぎり3,900。。』
せっかくだけど今回は想像だけに止めておこう。