酒井ブログ
2020/08/22
つい先日、念願のスコア(総譜)を買った。
ストラヴィンスキーの「春の祭典」。
ずーーーーーーーっと前から欲しくて欲しくて欲しくて仕方がなかったのだけれど、こんなにメジャーな曲なのに、なぜか国内の出版社からの出版がない!
聞いてみたらどうもロシアとの版権の問題だと言う。
昔、私も大学でオーケストラを遣っていた時、演奏会などで、曲目に依っては著作権料を払わなくてはならなかった。
それが殆どがロシアの作曲家。
なので「ロシアのプログラムには気を付けろ!」が、合言葉だった。
国際的に著作権は作曲家の死後60年なのだけどストラヴィンスキーは未だ50年しか経っていないので、未だガッツリと版権は握られたまま、と、いうことになる。
それにしてもこの曲、聴いているだけで
「どんな譜面を見て演奏してるの?」
と、不思議で不思議で仕方がない。
場合に依っては1小節毎の変拍子や転調に次ぐ転調のオンパレード。
実際に楽譜を見たら「3/8」や「7/8」「3/16」「5/16」など、見たこともないような拍子のオンパレード。
ずっと昔、本番で岩城宏之が振り間違えて演奏がストップした(後日、実は岩城の見ていたスコアが間違っていた、ということが判明したらしい)、という伝説もあるが、演奏する方もどう棒を見ているのか実に不思議。
スコアを追いながら演奏を聴いていると、要は小節の頭だけを確実に追って行かないとあっと言う間に落ちる(見失う)、ということがよーーく分かる。
今はまだ落ちないように必死に譜面を追うだけで精いっぱいだけど、もう少し慣れたら各楽器の動きにまで目が行くようになるときっと愉しいだろうな、と、思う。
何れにしても期待通り(?)の飛んでもない楽譜で、天才ストラヴィンスキー恐るべし!と、いう感じだ。
因みにロシアの出版社の印刷はとっても悪くて、小さな文字や音符などは殆ど潰れてしまっていてよく見えない。
こんなの、版権がフリーになった途端に海外のキレイな印刷にすぐに淘汰されてしまうのだろうな。