諫早建設の日常酒井ブログ
2022/03/30
コンサートの始まる前。
ユーミンの歌(さざ波)ではないけれど、弦の響きがホールを包むとき、
ホールはこれから始まる演奏への期待でワクワク感に包まれる。
1ベルが鳴って、聴衆がホールに入り、2ベルが鳴るのを待つ。
粗方聴衆が席について落ち着いた処で2ベル。
ここでオケが舞台に登場する。
が、今回は、この「オケが舞台に登場」と、言う処に着目してみよう。
実は、一言で「オケが舞台に登場」と、言ってもこれは各オケに依って、登場の仕方もマチマチ。
オケのキャラクターやスタイルに依って「みんな違う」と、言ってもイイくらい。
例えば、一番スタンダード、というか普通、と、言うか真面目なのが言わずとしれたN響。NHK交響楽団ですね。
ここは教科書のように2ベルが鳴り終わって一呼吸おいてから整然とプレイヤーが舞台に登場してくる。
多くの場合まずは弦楽器の最前列から。
続いて木管楽器、金管楽器、最後に打楽器という風に、実に整然とお行儀よく登場する。
正に「正統派」。
何の文句もない。
で、対照的なのが意外にも都響。東京都交響楽団。
ここはプレイヤー全員が「公務員」(都の職員)という位置づけ。
なので、行儀がイイ、と言うかまともかと言うと意外にも全く違う。
聴衆が会場入りした時には既に数名のプレイヤーが聴衆の存在など全く無視して舞台の上でさらっている。
基本的にはその日のプログラムをさらっているので、これは愉しい。
これから繰り広げられる曲への期待感も否応なく高まってくる。
が、大体そういうのって、人に聴かせるためではなくて、自分のためにさらっている(当たり前だ)ので、フレーズをちゃんと遣るのではなくて途中で切ってしまったり、同じところを何回も繰り返していたりもする。
それも一人や二人ではなくて、管楽器、弦楽器入り混じって何人ものプレイヤーが堂々とさらっている。
で、都響の場合は基本的に2ベルは無い。
2ベルの時間になるとどこからともなく(?)それもダラダラ、ワサワサとプレイヤーが出てきててんでに楽器をさらいだす。
で、それが最高潮に達した、要は全部のプレイヤーが舞台に揃った、と見るや、コンサートマスターがやおら立ち上がって「A」の音を出す。
このタイミングが実に絶妙、というか聴衆の気持ちの高ぶりを見計らったようにスッと自然に遣るので実にニクイ!
それから先はチューニングが終わって指揮者の出を待つ。
そのちょうど中間が読響。読売日本交響楽団ですね。
ここは直前まで舞台で管楽器の一部のプレイヤーがさらっていても、2ベルの直前には一旦引っ込むかせいぜい1人~2人だけ残っている、という感じ。
私的にはN饗の「ちゃんと感」よりも、何故か都響のだらしなさ、というかダラダラ感、何とはナシに始まってしまう感が実は大好き!
なんとなく本番に突入して行くあの不思議な連帯感というか、呼吸は何度行ってもワクワクしてしまう。
コンサートもこんな見方もあるんですよ、というお話でした。