INTERVIEW

DATA

所在地
東京都小平市
家族構成
2人家族+犬1匹
登場人物

〈 小平市吉川邸 インタビュー 〉

今回は弊社HPでもご紹介しております吉川会長宅。
会長自身3度目の家づくりですが、本来の意味での「注文住宅」は今回がはじめて。
いつもは「建てる側」の会長が「施主」になって、どうだったんでしょうか。

ネズミが出た!

Q
家づくりのきっかけは?
  
初めは増改築をやるつもりだった。階段から玄関を見直すというつもりでやっていたんだけど金額的にやっぱり1000万円~1500万円くらいかかる、ということで、更に新耐震基準前の建物だったこともあって、だったら建て替えようかと思ったのがきっかけですね。
なにせ古い家なので基礎の湿気がすごかったし、何よりもネズミが出た、というのが最大のきっかけかもしれません。
やっぱり2階がすごく暑かったんですよ。だから本当はもう少し早くに増改築でやろうかと思っていたんだけど、少し延ばして建替えにしました。
妻は増改築で、というつもりだったみたいだけど、自分としてはそれでは使い勝手と2階の暑さの解消にはならないと思っていたので。
娘も家を出たし、夫婦二人と犬だけになったので、タイミング的にもちょうどいいかと。

2階リビングにして本当に良かった!

こだわったところは?
  
一つは階段。前の家が階段がきつくて妻が何回も足を滑らせたから、とにかく勾配をゆるく、段差を少なくしたかった。
もう一つは玄関の位置。前は狭い通路を入った奥だったのでちょっと不便だったからねえ。
基本性能としては、2階にリビングをもって行くことに決まってからは屋根の断熱には拘りました。
2階の明るいリビングは妻の希望です。前の家のリビングが1階で暗くて、おまけに西陽が入って暑かったんで。
それと当初ウチ(諫早建設)の設計に何も言わないで敷地を見ただけでフリーでプランを考えてもらった中に2階リビング案があったんですよ。
それがとても良かった。ただ、娘達が帰ってきたときに泊まれるように2階に和室が欲しかったんで、そこだけ修正してもらったんです。
でも2階リビングにして本当に良かった。住んでみると本当に快適ですよ。
結果的に1階の寝室はヒンヤリして涼しいしね。
あれは壁を珪藻土にしているからかなあ。

夫婦で拘ったところが全然違った

Q
苦労したところ、悩んだところは?
  
夫婦の間でも求めるものが全然違ったところかな。
私は「匠の会」の流れで「無垢無垢の家」が良かったし、妻は庇や軒も出さないようなシンプルでシャープな方が良かったし・・・・。
結局は庇も少し出した折衷案になったんだけどね。
そうそう、南側のベランダは“陽の光を遮る”という意味でも練馬区のO邸を参考にさせてもらったし、内部のタイルは世田谷区E邸と全く同じで、要は「あっちこっちで建てさせて頂いた経験が活かされている家」ということかな。
建具関係は基本的にオール引き戸。今は全部開け放しなので風が流れます。
夜はシャッターにスリットが付いているのでそれを開けて寝ているからクーラーつけなくても涼しいですよ。
私は前は家の中でも鼻をかんでいたけど、今は珪藻土のせいなのか大丈夫だし。
犬の臭いはどうなのかな。いつも一緒の私たちでは分からないんだけど。
とにかく、互いの妥協点というか折り合えるところを探した。
幸いにしてこだわったところが全然違ったんですよ。
私は無垢材や建具を引き戸にしたかったり、床をチークにしたかったり珪藻土だったり。妻は外部やサッシや建具の色だったりね。
ご多聞に洩れず、やっぱり予算的には苦労した。その中でも山長の無垢材にはこだわったけど。きっとお客様も「総額(全て含んで)」でご提案してあげないと不安になると思う。後から「別途」「別途」では結局最終的にいくらかかるのか分からないからね。だから今のウチ(諫早)のやり方は間違っていないと思いますよ。
色もこっちである程度コーディネートしてご提案してあげないとお客さんは大変だと思いますよ。ショールームで自由に選んでもらうのもいいけど結果としてバラバラになっちゃうことにもなりかねないからね。

ナンと言っても「断熱」!

Q
(予想以上に)上手く行ったところは?
  
ナンと言っても「断熱」!
それと2階は思った通りの明るさと風通しと広さだった。
風呂も洗面所も広いし。寝室はもっと狭いかと思ったけど、モノを(収納に)入れてちょうどいい広さだった。
Q
(逆に)ここはこうしておけば良かった、というところは?
  
今のところはない。快適ですよ。
そうそう、玄関は設計に苦労させちゃったね。設計中はもったいないと思ったけど、設計の言うようにもっと大きくとっても良かった。

ちょっと贅沢な気分にもなれる

Q
お気に入りの空間は?
  
2階のリビングですね。
天井のファンをゆっくり回していると昔ハワイに行った時のようなゆったりした気分になれる。あれで風が回るから扇風機もいらないしね。ゆっくり回るからちょっと贅沢な気分にもなれる。
太陽光発電も、小さい屋根だけど普通にクーラー使うくらいだったら全然足りるし、売電の状態も見えるので付けて良かった。
それと、冬になってみないと分からないけどこの暖かさと断熱性能だったらだったら、もしかすると床暖使わなくてもいいかもしれない。

O邸を参考にして・・・

Q
前の家と暮し方が変わったところはありますか?
  
まだ引越して日が浅いので良く分からないけど、前の家は暑くてとても2階の寝室には居られなかったけど、今はほとんど2階のリビングで昼間十分に生活できるからね。
「断熱は必要!」と、身をもって体験した。断熱はちゃんとしておいた方がいいね。
特にサッシと屋根の断熱と屋根通気。
ウチは基本的に冬よりも夏の断熱を旨として考えたんですよ。
さっきも言ったように、練馬区のO邸を参考にして庇を出しておいて良かった。
2階には角度的にちょうど夏の陽が入らないし、1階もバルコニーが庇の役割をしていてひんやりして快適ですよ。

ウチ(諫早)の大工はやっぱり大したもの!

Q
施工中はどうでしたか?
  
手前味噌だけど、ウチ(諫早)の大工はやっぱり大したものだね。
以前、お隣をウチで施工したときも、工事が終わったときに妻が見せてもらったんだけど、その時もお隣が「お宅の大工さんは素晴らしい」ってスゴク褒めてくれたしね。
ウチも家に入った瞬間に床の納まりとか、ピシッとやっている感じがするもんね。
細かいところを見なくてもなんかそういう空気っていうのを感じるし。
「雑にやってない」っていうのが分かるよね。
そういう意味ではそれを指揮する監督や職人さん達も含めてみんな「大したもの!」
ってことかな。(笑)
  
それから施主として、いかに予算内で提案してもらえるか、逆に収めなくちゃならないか、っていう苦労が身に沁みて分かった。
床板も寝室はチークじゃなくて小平市のM様邸でも使ったカバ桜にしたけどとても良かったですよ。
ただ、無垢の床や珪藻土の壁は小さいお子さんがいると難しいかもしれない。
多少のキズやクラックも「味」と思ってもらえるお客様じゃないとね。
色もそれなりに変わってくるし。そっくりかえっても来るし。
やっぱりそれを超えても本当に自然素材を求めている人じゃないと。
ただ時流に流されて、単に「自然素材がいいんじゃないか」と思っているだけのお客様には安易に勧められないと思いますよ。