INTERVIEW

DATA

所在地
東京都世田谷区
家族構成
ご主人、奥様
登場人物
ご主人、奥様、酒井、島袋

家づくりには、条件がつきもの。 予算、土地の広さ、 その土地のルール。 その中で如何に良い家を建てるか。

今回お話いただくT様の敷地は、22坪の狭小地。
「一度目の家は、効率ばかりを求めすぎたかもしれない」
理想の家への強い想いを持って臨んだ2回目の家づくりで、理想の家にたどり着きました。

良い家にはワケがある。
「諫早さんとの家づくりは驚きと感動の連続だった」
お施主様自身も驚いた、空間を巧みに活かした立体的なワンルーム。
良い家にたどり着いたワケをご覧ください。

酒井
T様はお仕事は設計士ということで、プロの方に選んでいただいて光栄です。
ご主人
いえいえ、私はゼネコンの設計なので、木造は専門ではありませんから。でも、確かに諫早さんはプロ好みだと思いますよ。家づくりに熱心な方が多いんでしょう、きっと。
酒井
まずは、なぜ家を建て直そうかと思ったのですか?
ご主人
前の家が築26年。その家は古くはないんだけど、建売のような家で、西側に道路が開けているのでそちらに窓があった。そこからの日差しがとにかくキツイ、夏暑くて冬寒いという、温熱環境が最悪だったんです。まずそれが1つ。あとは、息子が2人いるんですけど独立して夫婦2人だけになった。そこで夫婦2人なんだから「減築」しようと。
酒井
なるほど。
ご主人
そう、じゃあどんな家を建てようということで、探しますよね。そこで、家内がセンスを重視しながら色んな会社のホームページを見ていたら、諫早建設さんを見つけた、と。そこで、桜ハウス(当時、世田谷でオープンしていた諫早建設のモデルハウス)を見つけて、見に行ったんだよね。
奥様
そこに島袋さんがいらっしゃって、色々と説明を受けたんです。
ご主人
桜ハウスは、オープンな空間でいいなぁって思った。
ショールームだからなぁ、という想いもあったけど、コンセプトをスゴく気に入って、それで諫早さんを候補にさせてもらったんです。最終的には、2社に絞って、諫早さんに決めさせていただいたというカタチです。
酒井
決め手はなんだったんですか?
ご主人
やっぱりプランの提案力ですよね。はじめは私がイメージスケッチを描いて、それを元に提案をしていただいたんだけど、もう1社さんの方はどうもイメージと違った。一方で諫早さんはね、良かったんです。
奥様
雰囲気が良かったんですよね。イメージプランを元に手書きのスケッチを入れてくれて。これはもう、なんとなくっていう雰囲気です。
ご主人
頭の中で描いてみて、これなら一緒にできるな、と。設計は設計事務所に、施工は施工会社にという頭もあったんだけど、諫早さんは、設計士さんが自社にいるという利点もあって頼むことにしたんです。私も設計なんですけど、家は家の設計があると思ったので、餅は餅屋ということでお任せして、実際、任せてみて良かったと思いました。
ご主人
やっぱりそこに住むということですよね。生活をする上でのデザインって違うんですよね。その点は私も勉強させていただきました。
島袋
やっぱりそこは異なる部分ではありますよね。誰が使うか、不特定多数の方が使う、ビル・工場と、特定少数の家族が快適に過ごすためのプランは異なってきますよね。
奥様
実は、前の家は主人が設計した家だったのですが、スゴく合理的な家だったんです。例えば、階段も全部の部屋に行けるように便利なんですけれども、一方で、遊びがないというか、その辺が生活する上では少し物足りない感じがしていたんです。
この家は、歩かないといけないんです。でも、それがなぜか良いんですよね。
ご主人
そう、回遊性ですよね。住んでみると違うってところがあるんですよね。だから、前回は私が主導したんですけど、今回は家内の意見をいっぱい入れたつもり(笑)
奥様
今回はその反省を踏まえて。
2人だけの暮らしなのに、敷地は22坪しかなくて、家は小さいのに、広く感じる、1階から3階まで、家全体がワンルームなのに少しずつ異なる感じがする、でも、繋がっているから広く感じる、そんな空間になりました。
酒井
ありがとうございます。今回は、ご夫妻共に建築のプロということもあって、少し専門的になっても結構ですので、どうやってこの家を実現していったか、その発想の源を教えていただけませんか?

家はこうでなくてはいけない。 そんな発想をまず一回ゼロにしよう、と。

ご主人
いわゆる家だったらこうだ、ということを忘れよう、と。
例えば、玄関だったら「上がり框」があってよっこらせって座る場所があるのが常識ですよね。その発想をなくして、あんなに低くできるんだっていう発想ね。だったら広さの関係もあるからそれでいい、とね。
あとは、階段の位置ね。僕はね、広さや温熱環境が気になって端の方をイメージしていただんだけど、提案いただいたのは真ん中に階段があって、回遊性があって、そこを回るような感じ。おぉ〜、これもあるかなと、目からウロコ。
奥様
結果、これが良いのよね。広く感じるのに、かつ階段が曖昧な仕切りみたいになって、いい感じ。やっぱりプロの発想は違いますよね。
酒井
なるほど・・・温熱環境の方はどうやって解決したんですか?

景色は全然見えない。 でも、見えてもね・・・

ご主人
前の家の反省があって、とにかく西は遮断しようということで、壁にしたんです。道路が西にあるから窓をつけたくなるし、実際他のお宅は窓があるんだけど、とにかく西日を遮断だということで。実際景色は見えないんだけど、でも、実際道路が見えても、ね(笑)。
おかげで夏は快適ですよ。昔の常識ですと、陽当たりよく、南側に階段がありみたいな。それを否定したカタチです。
酒井
景色を楽しむ、とかね。
奥様
そう、この世田谷あたりだとね、景色を楽しむと言っても隣も家だったりマンションだったりで。

個室という考えもかなぐり捨てて、曖昧につながっているという空間に。

ご主人
曖昧につながっている、立体的なワンルーム。これがこの家のもう一つのコンセプトで、この家には1階の洗面所と3階のトイレの2か所にしかドアがありません。例えばキッチンも、調理するスペースは個室のようにあるんだけど、階段と開口で繋がっているから買い物してきた荷物をポンとおいてからその場所にいけるとか。
逆に、部屋は違うんだけど、完全な個室じゃないから気配を感じられるとか。何か頼みたいことがあったら叫べば、どこかにいて「あぁ、3階にいるのか」みたいな。
奥様
叫ぶ必要はないですけどね(笑)
ご主人
さらにいいのは、冬はこの床暖房一つで上までモヤモヤモヤと暖かくなっているし、夏もエアコン1台でほぼ過ごせる。なんでこんな空間がつくれるのかって、前の家から考えたら不思議なくらいですよ。
酒井
「前の家は断熱がちゃんとしてなかったんじゃないか」っておっしゃったんで、解体のときに写真お送りしましたもんね。結果、ちゃんとしてましたけど。
ご主人
そうそう、やっぱりこれは技術ですよね。もちろん、最近のつくりもそうですけど、設計的、施工的な技術も大きいんだと思いますよ。
奥様
前の家は3階が暑くて命の危険を感じるくらいでしたよ(笑)。
島袋
昔の家は、通気がしっかりしてないために、エアコンなどの設備が十分に活かされていなくて。そういったケースも結構あるんですよね。

お気に入りは土間空間。 江之浦測候所美術館で見つけた石を使って。

ご主人
今日は私、設計のことだけじゃなくて施工のことも語りたいんですよ。
土間スペースの洗い出しの床。これもね、私達が使いたいって言った、真鶴の江之浦測候所美術館にあった床の石をね、一所懸命探し出してくれて。
職人さんが手作業で磨きだしてくれたんですよ。これが本当に嬉しくてね。
奥様
そう、職人の皆様が本当にね、叶えてくださる。この障子もこの家にピッタリに合わせてくれて。サイズも普通の障子じゃないんですよね。
ご主人
そう、そういう細かいセンスがね、違いますよね。この書斎もちょうど良い場所におさまって。

解体から竣工まで、近隣にも気を遣っていただきながらやっていただいたのが良かったです。

ご主人
もう一つ、前の家づくりと全然違ったのが、家づくりの楽しみ。私の経験から、家づくりは設計だけではなくて、それをカタチにするための現場、その現場をしっかりと見届けることが大事だと思ったので、しょっちゅう現場に行って、大工の大嶋さんと田中さんと一緒にお茶飲みながら会話して。アレも楽しかったですね。
大工さんにはお世話になりましたよ。
あとは解体。解体のときもね、下田社長にお世話になったんですけど、壊すときに色々と飛び散らないように配慮してくれたり、少しでも不具合があったら飛んで来てくれたりして。お隣さんも感激してくれて、ホッとしたのを憶えていますよ。
目の前のパン屋さんもみんなで通っていただいて、そうやって近隣の方に気を遣っていただいたというのが大きかったです。
奥様
こんな手厚い会社はないと思いますよ。
ご主人
施工の技術的には、天井ね。木を使いたかったけれど、コスト的にもやっぱり・・・と思っていたところに、これならってシナべニア素地を提案いただいて。大嶋さんと田中さんとね、二人で一所懸命やって。ほら、ビスが見えないでしょ。キレイに目透かし※ が入って。
これ、スッゴク大変だったんですけど、芸術品でしょ。これはね、家に来てくれた人にはいつも自慢するんですよ。
この棚もね、よく見てよ。棚板の中に照明を入れてもらって。この明るさをつくるためにここまでやってくれたんですよ。電気の鈴木さん、ね。
島袋
そう、鈴木さんはね、配線がとってもキレイなんですよ。見えないところだけど。
酒井
鈴木さんに「美しい配線ですね」と言ったら「丁寧な仕事」って言ってもらった方が嬉しい、って。
ご主人
やっぱりこだわりあるんだねぇ。そういういい職人さんを抱えているってことですよね。

良い家は、想いから生まれる。面倒な施主だったかもしれませんが、寄り添ってくれたのが有り難かった。

ご主人
さぁ、そろそろまとめですね。
酒井
ありがとうございます(笑)。
ご主人
諫早さんはね、営業・設計・施工と一体となって、家族みたいな社風がいいですよね。そういうのが、できあがった家にあらわれているんじゃないかなぁと思うんですよね。
もちろん、デザインや技術、気遣いも素晴らしいんだけど、そういう全体の雰囲気がいいんだと思うんですよね。
奥様
大事ですよねぇ。任せていても、安心感があるんですよ。
ご主人
私も設計なので、うるさい施主だったと思うんですよ。でも、そんな私にも寄り添って一緒にやってもらって、作り込んでくれたのがスゴく有り難かったんです。
会社の同僚や息子の家もね、紹介させていただいて2人ともお陰様でとっても喜んでいて、紹介をした甲斐がありますよ。
酒井
T様に恥かかせたら絶対にいかんですもんね。
ご主人
私から紹介されて、ダメだったらね、大変だもんね。その意味ではプレッシャーだったんですよね。でも、そういうのも含めて、施主も、諫早さんもみんなのチームワークでこれからもやっていけるのが一番ですよね。
奥様
安心感がありますよね。この家だってやがて古くなったとしても、諫早さんがいて下さると思うと安心ですよ。
ご主人
そう、その辺は岸監督がいるから安心ですよね。あと、最後にこれ(アルバム)。これがね、嬉しいですよね。竣工までの過程を大工さんの表情まで撮っていてくれて。
島袋
これは、酒井のこだわりなんですよ。
酒井
そう、一つだけ自慢させていただくと弊社のお客様はみんなコレを見てくださっているから、見えない壁の中まで、自分の家にとっても詳しいんです。
自分の家のことを嬉しそうに語るお客様を見ていると、あぁやっていて良かった、って思っちゃうんですよね。
ご主人
わかります。前の家づくりの時と、そういう安心感とか気持ちの部分が全然違うので。これからもよろしくお願いしますね。
酒井、島袋
もちろんです。こちらこそ、よろしくお願いします。